「健康は身体的にも精神的にも社会的にも完全に良好な状態をいい、単に病気がないとか病弱でないということではない。到達し得る最高の健康水準を享受することは、万人の基本的権利であり、人種・宗教・政治的信条・社会経済条件のいかんを問わない事項である。それぞれの人間集団が健康であることは、平和と安寧を得る上で不可欠のことがらであり、このためには個人も国もお互いに十分協力しなければならない。」
WHO、2001年、国際生活機能分類を採択、加盟国に勧告
疾病の予防、治療からリハビリテーションを併せた予防医学を総合して包括保健あるいは総合的保健という。
まだ病気でない時期に病気にかからないようにすること。(環境改善・健康増進・予防接種など)
生活環境の改善・適切な食生活・運動や活動の励行・適正飲酒・禁煙・ストレス解消
予防接種・事故防止・職業病対策・公害防止対策
既に発生している疾病をより早期に発見し対策をたてること
健康診断・各種検診・人間ドック
適切な治療・傷病進行阻止・リハビリテーション・理学療法・作業療法・言語療法・機能回復訓練・日常生活動作訓練・視能訓練・介護予防・職業訓練・適正配置
集団検診を行うための条件:1.公衆衛生行政上重要である 2.テストの診断精度が高い 3.当該疾患の罹患率・死亡率が高い 4.早期発見の効果があること 5.費用対効果のバランスがとれていることなどが挙げられる。
真陽性÷(真陽性+偽陰性)
真陰性÷(真陰性+偽陽性)
運動・活動は代謝をスムーズにし、血清コレステロールのうちHDLCを高め動脈硬化を防ぐよう作用する。
休憩をはさむことで一連続作業時間を適切に設定をする。
長期大量飲酒は脂肪肝・肝硬変・糖尿病など、妊婦の飲酒は早産・流産などのリスクがある。
日本の成人男性喫煙率は昭和41年に83.7%と最高であり、 その後徐々に減少、平成29年のデータは28.2%、 女性は9.0%である。
我が国の男性喫煙率は低下傾向にあるが、 諸外国と比較するとまだ高率である。 一方、女性は、諸外国と比較すると低率ではあるが、 傾向としては横ばいである。
たばこの煙には、 その吸い口からの主流煙とたばこが燃えている部分から 直接空気中に立ちのぼる副流煙とがある。
たばこの煙は窒素・酸素・水素・二酸化炭素・一酸化炭素、 その他の気体成分と煙の粒子状成分とに分けられる。 重量では気体成分が92%、粒子状成分が8%程度である。
喫煙継続の主原因はニコチン依存で、 喫煙は肺癌・咽頭癌・喉頭癌・食道癌・狭心症・心筋梗塞などの 危険因子となる。
独身者より配偶者のある者、多くの友人・知人を有する者、趣味の会・同好会・組織に入っている者は疾病罹患率や死亡率が低い。ソーシャル・ネットワークの多い者はより健康に生きられる。
平成6年の地域保健法制定以降、保健所の集約化が進み、 平成6年3月に848か所あったものが、 平成30年4月現在で 469か所に減少した。
一方、市町村保健センターは地域における母子保健・老人保健の拠点として整備され、 平成29年4月現在、2456か所まで増加した。
予防接種法による予防接種、母子保健法による母子健康手帳の交付、地域保健法による市町村保健センターの設置、廃棄物の処理及び清掃に関する法律による一般廃棄物の処理などは市町村の役割である。また、市町村には、母子健康センターや老人福祉センターなども設置されている。
各都道府県には、精神保健福祉法に基づき、精神保健福祉センターが設置されている。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律・予防接種法・検疫法・母子保健法・母体保護法・健康増進法・地域保健法・精神保健福祉法など
食品衛生法・容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律・水道法・下水道法・環境基本法・理容師法・公衆浴場法など
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律・医師法・歯科医師法・臓器の移植に関する法律など
薬事法・薬剤師法など
児童福祉法・身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・老人福祉法・生活保護法・母子及び寡婦福祉法など
健康保険法・労働基準法・労働者災害補償保険法・国民健康保険法・学校保健法・労働安全衛生法など
公費負担医療と医療保険がある。
医療費の全額もしくは大部分を公的管理された基金が負担する医療制度
生活保護法には、生活・教育・住宅・医療・介護・出産・生業・葬祭の8種類の扶助があり、このうち医療扶助はすべて現物扶助で、全額公費負担される。介護扶助も原則は現物扶助であるが、現金支給の要素もある。なお、生活保護制度には民生委員が関与する。
戦傷病者特別援護法による戦傷病者療養給付・戦傷病者更正医療は全額公費、感染症法による新感染症は原則全額公費とされている。
感染症法による結核医療・結核入院医療、精神保健福祉法による措置入院、原爆被爆者援護法による原爆認定医療・原爆一般医療、障害者総合支援法による自立支援医療、厚生労働省指定の特定疾患、母子保健法による養育医療などがある。
健康保険組合を持たない企業の従業員で構成される。全国健康保険協会が運営している。
企業や企業グループ(単一組合)、同種同業の企業(総合組合)、一部の地方自治体(都市健保)で構成される健康保険組合が運営している。
船舶の船員。全国健康保険協会(船員保険部)が運営している。
国家・地方公務員、一部の独立行政法人職員、日本郵政グループ社員、私立学校教職員。公的年金制度や他の福利厚生制度も併せ持っている。
国民健康保険の保険者は従来は市町村であったが、平成30年4月から都道府県と市町村が保険者となって運営することになった。国民健康保険は地域保険に属し、日本で最も加入者数が多い保険である。
75歳以上の者と後期高齢者医療広域連合が認定した65歳以上の障害者を対象とする医療保険制度で、平成20年に開始された。保険者は各都道府県ごとの全市町村で構成される後期高齢者医療広域連合であり、患者の自己負担率は通常1割であるが、現役並み所得者は3割負担となる。
平成27年度の国民医療費は42兆円強、前年度比3.8%増、国民所得に対する比率も11%弱となり、国内総生産に対する比率は8%弱となった。また、一人当たりの国民医療費は約33万円となった。人口の27%を占める65歳以上が国民医療費の59.3%を消費している。
日本の伝統は、弱者である患者が強者である医師に保護される関係(父権主義・温情主義=パターナリズム)である。しかし、近代社会では両者の関係は契約関係とされている。保健医療にあっては、専門家から患者に病状や行為についての説明がよくなされた上で患者が納得・合意・承諾することが必要で、これをインフォームド・コンセントと呼ぶ。また、慢性疾患の場合、患者の生活の質(QOL)を高める努力が特に医師の側に重要である。
古くから人の死は心臓と呼吸の停止及び瞳孔散大の3つの徴候によって専門家にも通俗的にも死であると考えられてきた。ところが、脳波上の死がここに登場し、本人の意志が確認できれば、脳死状態の時期に必要とされる心臓・腎臓などの臓器を取り出し、他人に移植することが可能となった。さらに、平成21年には、臓器の移植に関する法律が改正され、親族に対し臓器を優先的に提供する意思を書面により表示することもできることとなり、本人の臓器提供の意思が不明な場合にも家族の承諾があれば臓器提供をすることが可能となったため、法改正前は不可能とされていた15歳未満の者からの脳死状態での臓器提供も可能になった。
WHOは、人間の健康を基本的人権の一つとして捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関で本部はスイスのジュネーブにある。 伝染病対策、衛生統計、基準づくり、技術協力、研究開発など保健分野の広範な活動を実施している。
政府開発援助とは、発展途上国の経済発展や福祉の向上のために先進工業国の政府及び政府機関が発展途上国に対して行う援助や出資のことである。DAC(開発援助委員会)諸国による実施状況を純額ベースでみると、長らくアメリカが世界1位であったが、1989年に日本がアメリカを追い抜き、その後、日本が世界最大の援助国となった時期もある。
事業内容は多岐に及ぶが、その基本は「人を通じた国際協力」である。また、資金協力には、有償資金協力と無償資金協力があり、無償資金協力は二国間贈与に基づいて行われるため、開発途上国に資金についての返済は求めない。
国際協力に携わる非政府組織、民間団体のことを指し、民間自発団体とも呼ばれる。